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抜けた乳歯、どうしています?
小児歯科という診療科目のため、当院では生えかわりの乳歯を抜歯することがよくあります。
抜いた乳歯はお子さんにプレゼントしているのですが、皆さんは抜けた歯をどうしていますか?
私たちが小さい頃は「上の歯は屋根に投げ、下の歯は軒下に入れる」なんて言われていました。
実は世界の他の国々でも抜けた乳歯に関する様々な風習があります。それらをいくつかのパターンに分けてご紹介します。
パターン1:「投げる」系
抜けた乳歯を屋根の上などに放り投げるのは、日本の他に韓国、中国、インドネシア、タイなど東~東南アジアの国々に多いようです。エジプトやリビア、カメルーンなどアフリカの一部にも「投げる」習慣があるようです。ヨーロッパではギリシアも屋根に投げるそうです。
パターン2:「埋める」系
ロシアやアフガニスタンなどではネズミの巣穴に落とすそうです。かわりにネズミに新しい歯をもってきてもらうのだとか。また、マレーシアでは「体の一部を土に帰す」ということで地面に埋めるそうです。
パターン3:「枕の下」系
なんとも変なネーミングですが、乳歯を枕の下や枕もとに置いておくと寝ている間に「歯の妖精」や「ネズミ」が持って行ってくれて、代わりにコインやお菓子を置いて行ってくれる、というものです。
このパターンはアメリカやヨーロッパをはじめ多くの国で行われているようです。ざっくりと分けるとヨーロッパは妖精が、ラテン系の国はネズミが多いようです。
実際には夜中にこっそり親御さんが取り替えて大切に保管しているみたいです。
その他
チリではお母さんが乳歯をペンダントなどのアクセサリーにしてくれるそうです。また、ドイツでは「何もしない」と(ドイツらしい、といえばらしいですね)。
最近では大事に「取っておく」派も
この頃は日本でも屋根や軒下に投げられない事情のせいかどうかはさておき、「記念に取っておく」という方も多いようです。
ベビー用品売り場やネットショップなどでは様々な乳歯入れが売られています。へその緒と同じように、お子さんの成長の証として考える方が増えてきたようですね。
中にはこちらの会社のように模型にして残してくれるところもあります。これなら当院でもできそうです。
今回の記事を書くのにこちらの本を参考にさせていただきました。
- はがぬけたらどうするの?―せかいのこどもたちのはなし
- ブライアン カラス Selby B. Beeler G.Brian Karas
- フレーベル館 1999-05
by G-Tools , 2009/03/18
世界の64の地域の乳歯についての言い伝えや風習が絵本で紹介されています。すべて平仮名なのでお子さんと一緒に読むこともできます。興味のある方はぜひ一度ご覧になってください。