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学校歯科健診、いかがでした?
新学期が始まったと思ったらあっという間に1か月が過ぎましたね。
学校や幼稚園、保育園の歯科健診はもう終わりましたか?結果の紙にはなんと書かれていましたか?
さて、学校健診の結果がご家庭に知らされる時期に毎年決まってこういう相談をされます。
(当院の定期健診でむし歯が見つかってしまった保護者の方が)「この間の学校健診では『むし歯なし』って言われたのに…」
であるとか、
「今、むし歯の治療で通院しているのに、学校で『むし歯なし』って言われたんです」
などと。
学校健診を担当している先生はどれだけいい加減な診査をしているのでしょう?と思われるかもしれませんが、(たぶん)そんなことはないんです。
私も大学で仕事をしていたときは、この時期何件もの学校健診のお手伝いをさせていただきました。診療室と学校健診での診査にはいくつかの違いがあります。
まず、診査する時の条件が異なります。
通常、学校健診では空き教室や体育館などの広い場所で立ったまま診査を行います。
たいてい窓際の明るい場所で行ったり、場合によっては補助的な照明器具を使う場合もありますが、診療台に仰向けになって十分な照明の下での診査とはまるっきり見え方が違います。
また、基本的に学校健診の場では「見る」ことしかできません。診察室では怪しい歯があった場合、その歯を触ってみたり、レントゲンを撮影したりしてむし歯かどうかを確定することができますが、学校では文字通りミラーで「見る」だけです(まれに探針で歯に触れることもありますが)。
そのため、色がついていたりして「怪しいな~」と思う歯は「むし歯」と診断する傾向にあります。
学校健診は健康な状態なのか、医師の診察が必要かどうかのふるい分けを行うことが目的のひとつです。現在はむし歯だけでなく、歯並びや歯肉の状態、顎の関節などの項目についても診査しています。
健診結果のお知らせに「治療が必要」と書かれていればもちろんですが、「治療の必要なし」とあっても、これを機に一度お近くの歯科医院を受診されることをお勧めします。