NiKOブログ
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2009.08.04
歯の再生医療、一歩前進
東京理科大、東北大、東京医科歯科大の研究チームがほぼ完全な歯をマウスで再生させることに世界で初めて成功したそうです。
どんな研究?
- マウス胎児から歯のもととなる細胞を採取、培養し歯胚(歯の原型)にまで成長させた
- 成体マウスの上顎の臼歯を抜歯した後、先程の歯胚を移植した
- 約50日間で下の歯とかみ合うように成長した
再生歯は通常のものよりも小さいものの、エナメル質や象牙質の硬さは同程度であり、歯根膜や歯髄も機能しているとのこと。
で、研究が進むとどうなるの?
現在はむし歯や歯周病、外傷などで歯を失った場合
- 取り外し式の入れ歯を作る
- 前後の歯を削って橋渡し(ブリッジ)にする
- 顎の骨に人工の根(インプラント)を埋め込み、その上に歯の形を再現する
などの方法が採られています。それぞれに一長一短あるのですが、いずれの方法も歯のなくなった部分を人工物に置き換えているだけで歯そのものを再生させているわけではありません(これはむし歯の治療を含め歯科治療全般に言えることですが)。
この研究が進むと将来的に歯を失った場合、そこに「歯の種」を植えると数ヵ月後に元の歯と同じように機能する新しい歯が生えてくる、といったことも夢ではなくなります。
ただそれが実現するのはもうちょっと先の話になると思いますので、今のところは歯を失わないように日ごろのケアに気をつけたいものです。