NiKOブログ

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2009.09.15

歯科用局所麻酔薬「スキャンドネスト」

歯科治療後の不快事項の一つとして「麻酔をした部分の唇や歯ぐきに長時間しびれが残る」ことが挙げられます。

しびれているだけならまだいいのですが、感覚が鈍くなっているので食事の際に誤って唇や粘膜を噛んで傷を作ってしまうことがあります。

特に小さいお子さんの場合は、治療後に本人にも保護者の方にもしつこいくらい口を酸っぱくして説明していても次回来院時に唇を腫らしてくることもしばしば。

また、治療中は泣かずに上手にできたのに、その後の麻酔の感覚が嫌で泣き出してしまうお子さんも中にはいます。

日本で最も多く使われている歯科用局所麻酔薬は2%リドカイン(商品名:キシロカイン、オーラ注、キシレステシンなど)です。リドカインも十分信頼できる麻酔薬なのですが、効果時間が長いので先程書いたようなことがときどき起ります。また、麻酔効果を高めたりする目的で血管収縮薬(エピネフリン)が添加されているので、高血圧や心疾患を患っている患者さんには使いにくという欠点もあります。

当院は小児歯科なので高血圧の方や心疾患をお持ちの方は滅多に来院されないのですが、麻酔の感覚が残って泣き出す子や、唇を噛んでしまう子はいます。

当院ではそんな方には、メピバカイン(商品名:スキャンドネスト)を使うようにしています。

スキャンドネストカートリッジ

スキャンドネストの最大の特徴は、麻酔の効いている時間がリドカインの約半分であるということです。また血管収縮薬を含んでいないため、循環器系の疾患もお持ちの患者さんにも安心して使うことができます。

当院では今までほとんどの処置にリドカインを使っていたのですが、最近は短時間で終わる処置には積極的にスキャンドネストを使うようにしています。

麻酔のモヤモヤが苦手な方や、今までに唇を噛んでしまった経験をお持ちの方はお気軽にお申し付けください。