NiKOブログ

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2018.03.27

スポーツキッズの強い味方!思わぬケガから歯を守るマウスガード

カスタムメイドのスポーツマウスガード

スポーツは子どもの心身の成長を育む上で、とても重要です。

現在はさまざまな子ども向けスポーツも充実しているため、スポーツの習い事に熱心に取り組んでいるお子さんも多いのではないでしょうか?

しかし、スポーツ活動中にケガをする危険性が高いことは事実です。

前回は、「子どもの歯のケガ」についてご説明しましたが、今回はスポーツ時のお口のケガから子どもを守る「マウスガード」についてご紹介します。

目次

  1. マウスガードを使う5つの効果
  2. マウスガードの装着が有効となるスポーツ
  3. マウスガードは子どもにも必要?
  4. マウスガードの効果的な使い方

1. マウスガードを使う5つの効果

マウスガードは簡単に言うと、スポーツによるケガからお口を守るためのものです。

歯の矯正治療や顎関節症の治療、歯ぎしり予防などのさまざまな目的でお口に装着する装置は総じてマウスピースとよばれていますが、その中でも「スポーツによるケガの予防」を目的としたものがマウスガードです。

マウスガードによる効果には、以下の5つがあります。

  • 歯の保護
  • 歯が唇、頬、舌、歯肉など自分のお口の中を傷つけることを予防
  • 自分の歯が相手を傷つけることを予防
  • 顎の骨や関節への衝撃を和らげ、顎のケガや脳しんとうなどを軽減、予防
  • 運動パフォーマンスの向上

また、単に物理的な衝撃からお口や歯を守るだけでなく、マウスガードを正しく装着することによって、筋力や瞬発力が向上するなど、運動パフォーマンスを十分に発揮できるという相乗効果があるといわれています。

2. マウスガードの装着が有効となるスポーツ

実際にスポーツ選手がマウスガードを装着しているのを見たことはありませんか?

特に激しい接触や転倒の危険性があるスポーツの場合、マウスガードの装着は非常に有効です。

現在は競技によって、マウスガードの装着が義務化・推奨されています。

マウスガード装着義務のあるスポーツ

  • ボクシング、キックボクシング
  • アメリカンフットボール
  • ラグビー(15歳以下)
  • アイスホッケー、インラインホッケー(20歳以下)
  • 空手(流派や団体による)
  • ラクロス
  • ホッケー〈フィールドホッケー〉(中学・高校)

マウスガード装着が推奨されるスポーツ

  • 格闘技(レスリング、拳法、武術、柔道、相撲など)
  • 球技(野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、ソフトボールなど)
  • その他競技(スキー、スケートボード、体操、重量あげ、馬術、サーフィン、モータースポーツなど)

例えば、球技はボールが顔に当たってお口の中が切れたり、歯や骨が折れる可能性が高いといえます。

また、ボールが直接当たらなくても、他のプレーヤーの肘が当たるなどの接触によってケガをすることも十分にあり得ます。

ケガによっては歯を失うリスクもあるため、マウスガードでお口を守ることは重要です。

3. マウスガードは子どもにも必要?

大人のボクシングやラグビーなどでマウスガードを使うイメージはあっても、「子どもにわざわざ必要?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、近年では小中学校の部活動などでの事故によるケガから、マウスガード装着の必要性が報じられています。

マウスガード装着が推奨される競技は増えているものの、日本国内ではまだまだ一般への認知度が低いのが現状です。

欧米諸国では、ラグビーをはじめ少年野球などでも子どもはマウスガードを装着しているといわれています。

例えば、昔は自転車やスキーのときにヘルメットを着用しているお子さんをあまり見かけませんでしたが、今ではヘルメットの重要性が知られ、着用しているお子さんを多く見かけるようになりました。

「ケガから身を守る」という危機管理の意識は、マウスガードもヘルメットと同様です。

マウスガードの必要性について理解が深まることで、より一般に普及されると考えられます。

4.マウスガードの効果的な使い方

マウスガードを使う上で最も重要なのは、お子さんのお口に合ったものを正しく使うことです。

市販されているマウスガードもいくつかありますが、ニコ小児歯科医院ではカスタムメイドでお一人お一人のお口に合わせたマウスガードを製作しています(費用は7,560円〈保険適応外〉/1週間ほどで完成 )。

市販品と歯科医院でのカスタムメイドとの違いは、以下のとおりです。

市販品

メリット
  1. 比較的安価(1,000円〜)で、気軽に購入できる
  2. そのまま使用するタイプと自分で成形するタイプがあり簡単
デメリット
  1. お口に合っていない可能性が高い
  2. 外れやすく、言葉を発音しづらい
  3. 歯並び、噛み合わせに影響する

カスタムメイド

メリット
  1. 口への適合性が最もよく、違和感が少ない
  2. 外れにくく、言葉を発音しやすい
  3. お口の成長に合わせて多少の調整が可能
  4. カラーバリエーションが豊富、アルファベットや数字の刻印などの名入れにも対応
デメリット
  1. 比較的高価(5,000円〜20,000円程度)で、歯科医院でしか作れない
  2. 成長期には定期的な作り直しが必要

それぞれにメリットやデメリットがありますが、特に子どもの場合は歯の生え変わりや顎の発育など、お口の中が成長しているデリケートな時期には、歯科医院でマウスガードを作ることをオススメします。

また、お口に合わないマウスガードを使用することで、

  • ケガの予防効果が期待できない
  • 違和感が強いためストレスになり、運動パフォーマンスも低下する
  • 団体競技などでは、言葉が発音しにくいことでコミュニケーションが困難になる
  • 歯並びや噛み合わせに悪影響が生じてしまう

など、本来のマウスガードの役割を全く果たさなくなるばかりか、かえって悪い影響を与えてしまう可能性があります。

ほかにも、マウスガードを正しく使用するための注意点として、以下のようなことがあります。

  • 試合中だけでなく練習時から使用する

練習中のケガを予防するほか、普段からマウスガードに慣れることでプレーに集中できる

  • 正しく装着する

ガムのように噛んだり、無理に意識して噛みしめない、不要に外したりして遊ばない

  • お手入れをする

使用後はよく水洗いし、週に一度浸け置きタイプのクリーナーでの洗浄がオススメ

  • 熱による変形に注意する

熱湯をかけたり、食洗機による洗浄、夏場に車内などの高温になる場所に放置しない

  • 定期的に状態をチェックする

永久歯へ生え変わる時期までは3ヶ月〜半年、永久歯になっても半年〜1年ごとのチェックが必要

お子さんがより安全にスポーツに集中できるよう、歯科医院で作るマウスガードを正しく使用することをオススメします。

まとめ

マウスガードは3歳からの小さなお子さんでも使用が可能です。

当院では、スポーツをするすべてのお子さんにマウスガードの使用をオススメしています。

少しでも興味がある方はぜひ一度お問い合わせください。

また、スポーツ時にスポーツドリンクを飲む方も多いのではないでしょうか。

次回は、スポーツドリンクなどの「清涼飲料水」についてご紹介しますので、そちらもご覧ください。