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お子さんの歯を守る!小児歯科での定期健診の重要性
皆さんは、お子さんの歯の定期健診に行っていますか?
定期健診といっても、学校や幼稚園・保育園などの集団で実施される歯科検診のことではありません。
「え?定期健診って必要なの?」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
特に、お子さんの場合は乳歯や永久歯が生えるなど、成長によってお口の中が変化するため、定期的に健診を受けることがとても重要です。
目次
必要不可欠! お子さんのお口の健康を守る定期健診
お子さんを歯医者さんに連れて行ったことがある方なら、一度は「定期健診に来てくださいね」と言われたことがあるのではないでしょうか?
「その後、症状が悪化していない」「学校や幼稚園・保育園の歯科検診で異常と言われていない」「ついつい忘れてしまう」などの理由で、定期健診に行かない方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、お子さんのお口の健康を守るためには、定期健診がとても重要です。
特に子どもの場合は、成長するにつれて歯が増える・生えかわるなど、お口の中が次々と変化していきます。
その変化の中で、むし歯や歯並びなどに関するトラブルが起きるケースもあるため、お子さんのお口の状況を定期的に確認し、健康状態を維持することが大事なのです。
お子さんのお口の状態にもよりますが、ニコ小児歯科医院では基本的に3か月に一度の定期健診をオススメしています。
「たった3ヶ月でむし歯ができるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、お子さんの入学や入園、習い事など生活や環境の変化によって、前回の健診では見られなかったむし歯が見つかるということもあるため、たった3か月でも注意が必要です。
何をする?小児歯科での定期健診
続いて、ニコ小児歯科医院で行っている定期健診の流れについてご説明します。
1.生活習慣などの確認
まずは、普段の生活習慣や食生活についてヒアリングをします。
生活習慣がお口の健康に与える影響は大きいため、前回の健診から生活に大きな変化がないかどうかを確認しています。
2.お口の診察
次に、実際にお子さんのお口の中を診て、健康状態を確認します。
乳歯や永久歯などのお口の成長による変化のほか、むし歯や歯肉炎、噛み合わせの異常などのトラブルがないか、目視によるチェックを行います。
3.必要に応じてレントゲン検査
定期的にレントゲンの検査を行い、目で見ただけではわかりにくい歯と歯の間にできたむし歯の確認のほか、これから生えて来る永久歯に異常がないかを確認します。
4.ご家庭でのケアに関するアドバイス
・歯磨き(ブラッシング)
お子さんのお口の成長に合わせて、ご家庭での歯磨きに関するアドバイスをします。
磨き残しが見られる部分や歯の形状によって、歯ブラシの当て方やコツなどをお伝えします。
・NiKOノート
ニコ小児歯科医院オリジナルの「NiKOノート」で、健診の結果やご家庭で気をつけていただきたいポイントをお知らせしています。
5.クリーニング
ニコ小児歯科医院では、PMTC(プロフェッショナル メカニカル トゥース クリーニングの略称)と呼ばれる専用機器による歯の清掃を行っています。
ご自宅での歯磨きでは落としきれない歯垢や歯石、茶渋などの着色汚れ(ステイン)などを除去し、隅々までクリーニングします。
定期的に行うことでお口のトラブルを予防するほか、ご自宅でのケアでは味わえないような、お口のすっきり感に満足されるお子さんもいます。
健診後、お子さんにはガチャガチャのごほうびを用意しています。
実は全然違う!「集団歯科検診」と「小児歯科の定期健診」
学校や幼稚園・保育園では、集団による「歯科検診」が必ず行われています。
そのため、「集団歯科検診で歯医者さんに診てもらっているのだから、わざわざ歯科医院に行かなくてもいいだろう」と考える方も多いかもしれません。
しかし、同じ「けんしん」という響きでも、実は集団で行われる「歯科検診」と「定期健診」では、目的が全く異なります。
集団での歯科検診では、お口の中に異常があるかだけを確認しています。
それによって、歯科医院の受診が必要かどうかのふるい分けが目的であり、健康状態を維持するためのものではありません。
(「学校検診」には「児童・生徒の健康教育」という大切な役割もありますが、ここでは割愛します。)
しかも、集団での歯科健診では歯科医は一度に多くの子どもたちを診ることになり、一人一人を細かく診ることは不可能です。
むし歯の初期段階は、目で見ただけでは判断が難しい場合もあるため、「歯科検診では問題ないと言われていたのにむし歯があった!」ということも珍しくはありません。
お口の健康状態を良好に保つためには、歯科医院で定期的に健診を受けることをオススメします。
定期健診を受ける3つのメリットとは?
定期健診を受けることによるメリットは、大きく分けて3つあります。
1.異常の早期発見
- むし歯
- 歯肉炎
- 噛み合わせなど歯並び
定期的にお口の状態を確認することで、異常を早期に発見することが可能です。
2.継続してお口の健康を見守る
例えば、むし歯は進行状態によっては歯を削らずに済む場合があります。
また、歯並びについても状態によっては矯正治療をせずに、生活習慣を改善させることで自然と修正されることがあります。
定期的にお子さんのお口の状態を確認することで、継続的なデータをもとにアドバイスをしたり、治療を検討することが可能です。
3.お口の健康=全身の健康
例えば、歯周病の改善は糖尿病の改善につながると言われています。
お子さんの場合にも、例えばむし歯にならないよう糖分を控え、規則正しい生活をすることは肥満の防止になります。
よく噛んで食べることは消化を助けるほか、あごの発達につながるため、きれいな歯並びを作る上でとても重要です。
また、お口の健康を常に維持することで治療の必要がなくなり、結果的に医療費が抑えられるとも言われています。
子どもの歯を守りたい!今から親ができること
むし歯になってから治療をするのではなく、むし歯になる前から予防をする「予防歯科」先進国と呼ばれているのが、スウェーデンです。
スウェーデンでは、多くのお年寄りが80歳になっても、若い頃とほとんど変わらない20本以上の歯を維持していると言われています。
これは、国として定期健診を義務づけし、子どもの頃からお口の健康を維持することが習慣化しているためだと考えられています。
日本でも「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という「8020(ハチマルニイマル)運動」が平成元年から厚生省(現・厚生労働省)と日本歯科医師会によって推進されてきました。
開始当初、平均4〜5本程度だった残存歯数は約30年で平均17本まで増えましたが、まだまだ20本以上という目標には到達していません。
また、一般的には、中高年以降に歯周病などにより急速に歯を失う傾向にあると言われています。
しかし、定期健診によってむし歯や歯周病のリスクを下げることは可能です。
小さな頃から定期健診が習慣となっていれば、お子さんが大きくなって親の手を離れた後でも、自主的に歯科医院を受診するでしょう。
今のお子さんの歯を守ることはもちろん大事ですが、子どもの頃からお口の健康を維持する意識付けをすることで、お子さんの将来の歯まで守ることができるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、定期健診の重要性についてご紹介しました。
年齢を重ねるごとにお口のトラブルは増えていきますが、子どものお口のトラブルでまだまだ多いのが「むし歯」です。
次回は「むし歯」についてご紹介しますので、よろしければそちらもご覧ください。