子どもが大好きな「おやつの時間」。

親として気になるのは何と言っても「むし歯にならないおやつ」ではないでしょうか。

インターネットを調べればたくさんの情報が出てきますが、サイトによって答えはさまざまで「一体どれが正解なのか解らない」なんてこともあるかもしれません。

今回は、小児歯科専門医が「むし歯にならないおやつ」についてご説明します。

目次

  1. 子どもに「おやつ」は必要不可欠!
  2. 「むし歯にならないおやつ」はある?
  3. 小児歯科専門医が教える!むし歯を作らない「おやつ習慣」とは
  4. 糖分以外にも気をつけたい「おやつ」の注意点

1. 子どもに「おやつ」は必要不可欠!

「おやつ=お菓子」と考えがちですが、実は乳幼児期の子どもにとっておやつは「成長に欠かせない大事な栄養補給源」です。

子どもは大人と違って消化機能が十分に発達しておらず、一度に食べることができる量は決して多くありません。

あくまで、乳幼児期におけるおやつは「食事だけでは不足する栄養を補うもの(補食)」です。

一般的に「味覚形成には3歳までが重要」と言われており、その時期にお菓子などわざわざ甘いものを食べさせる必要はありません。

  • おにぎりや芋などの炭水化物
  • 果物などビタミンが豊富なもの

など手軽に食べられ、栄養が多いものを積極的に与えましょう。

年齢があがり小学生になれば、栄養源としての補食は必要なくなり、おやつは子どもの楽しみの一つになります。

お子さんによって適切な量は異なりますが、夕飯に影響が出ないように心がけましょう。

2. 「子どもがむし歯にならないおやつ」はある?

おやつは「いつ」「何を」食べさせていますか?

「むし歯を防ぐためにチョコやキャラメルは避けています」というご家庭もあるかもしれません。

しかし、むし歯の原因を考える上で一番重要なのは「何を食べているか」より「いつ食べているか」だと、ニコ小児歯科医院は考えています。

代表的な「むし歯になりやすいおやつ」のイメージは「糖分が多い」「歯にくっつきやすい」などではないでしょうか。

実際に糖分はむし歯の原因であり、「歯にくっつきやすい」ということは「落としにくい汚れ」であることは間違いありません。

しかし、ただそれらを食べたからといって「むし歯になりやすい」という学術的な統計データがあるわけではないのです。

問題は、それらを「いつ」「どうやって」食べているかです。

「おやつにアメやグミを食べている」という患者さんのお話をよくよく聞くと、アメやグミは小さいため「なくなったら次々に食べる」ということが多いです。

本来、むし歯は複合的な要因が重なってできるものです。

「甘いものを一切食べない」「しっかり歯みがきしている」など、何か一つだけ完璧にしているから大丈夫!」ということはありません。

そのため、「むし歯にならないおやつ」を気にするより「むし歯を作らないおやつ習慣が重要」というのが当院の考え方です。

3. 小児歯科専門医が教える!むし歯を作らない「おやつ習慣」とは

それでは、「むし歯を作らないおやつ習慣」とはどのようなものでしょうか。

何を食べるかは特に重要ではありませんが、だからといって「好きなものを、好きな時に、好きなだけ」というわけにはいきません。

まずは、ご家庭で「おやつのルール」を作ることが大事です。

(1)おやつの時間は一日一回

唾液には、何も食べていない時間帯にむし歯を作りにくくするはたらきがありますが、常にお口の中にむし歯のもととなる糖分があっては十分に作用しません。

特に、次々と食べたくなるアメやガムなどのお菓子は、だらだら食べないように気をつけましょう。

また、「おやつの時には絶対水かお茶!」という方も多いかもしれませんが、むし歯の観点から言えば、おやつとジュースなどの清涼飲料水を別々の時間に与えるより、一回にまとめて食べ飲みする方がリスクは低いと言えます。

(2)寝る前に食べない

寝ている間は唾液が減少するため、むし歯になる可能性が高くなります。

「食べてもすぐに歯みがきをすれば大丈夫」と考えず、寝る時間が近づいてからの飲食自体を控えましょう。

(3)糖分をコントロールする

糖分の摂り過ぎは、むし歯だけでなく糖尿病や肥満など全身の健康に影響を与えます。

おやつの時間を決めても好きなだけ与えることは避け、糖分量を把握することが重要です。

ダイエットのように、一週間の糖分量を把握し「今日は多かったから明日は控えよう」などコントロールすることをオススメします。

また、お子さんのお腹が空くたびにおやつをあげるのではなく、決めた時間を守ることによって「我慢することを覚える」というのも大切です。

例えば「15時まであと10分待とう」と声をかけることで、時間を意識するようにもなるでしょう。

おやつの時間を決めることで、夕飯時にしっかりご飯が食べられるようにもなります。

ルールをきちんと守る「おやつ習慣」で、お子さんに楽しいおやつ時間を作ってあげたいですね。

4.糖分以外にも気をつけたい「おやつ」の注意点

そのほか、お子さんのおやつを選ぶ上でのアドバイスをご紹介します。

(1)カロリーや油分、塩分を摂り過ぎない

スナック菓子などは油分や塩分を多く含んでいます。

「糖分・油分・塩分」の摂り過ぎは健康に悪影響を及ぼすので注意が必要です。

例えば、一袋170gのスナック菓子には油が60mlも入っているものもあります。

おやつを選ぶ際には、糖分だけではなくカロリーや塩分にも気をつけましょう。

(2)キシリトールなど代用甘味料の活用について

キシリトールは砂糖と違って、むし歯菌が分解できないため、むし歯の原因にならないと言われています。

さらに、むし歯菌の活性を抑える効果があり、アメやガム、歯みがき粉などにも使用されていることをご存知の方は多いかもしれません。

ガムなどを購入する際に、同じものでもキシリトールが配合されているものを選ぶことは、むし歯予防に効果的です。

また、意識的にキシリトール配合の商品を選ぶことで、糖分の摂り過ぎを防げます。

しかし、「キシリトール入り」という表示の中でも「キシリトール100%」のものと「砂糖も含む」ものがあります。

むし歯予防にキシリトールガムを食べていても、むし歯菌が分解できる種類の糖が含まれていては効果が十分に発揮できないため、成分表示を確認することをオススメします。

ただし、当院では「わざわざキシリトールなどの代用甘味料のものを与える必要はない」と考えています。

いくら成分が歯によくても、常にアメやガムを食べる習慣が身についたり、小さな頃から甘味に慣れてしまうという可能性もあります。

キシリトールに限らず、代用甘味料が使用されている「カロリーゼロ」や「無糖」と表示されている商品も多いですが、摂取し過ぎることでかえって不健康につながることがあるため、注意が必要です。

(3)むし歯予防の近道は「無理せず続けること」

子どもにとって、おやつは大きな楽しみです。

お友達の家でお菓子を食べることもあるでしょうし、あれこれ食べないという制限をかけることは子どものストレスにもつながります。

また、「おやつ後の歯みがき」を気にされる方がいますが、おやつの後に歯を磨いたかどうかだけではむし歯のなりやすさに大きな差はないと考えられます。

もちろん、無理なく歯みがきができればそれが一番ですが、「歯を磨かなきゃいけない」「口をゆすがないとダメ」と頑張る必要はありません。

まずは、おやつ時間のメリハリをつけ、正しい「おやつ習慣」で無理なくむし歯を予防しましょう。

合わせて歯科医院での定期健診も忘れずに受けることが効果的です。

もし、おやつやお子さんの歯について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

まとめ

今回は、お子さんが大好きな「おやつ」についてご紹介しましたが、いかがでしたか?

次回は「子どもの歯茎のトラブル原因と対処法」についてご紹介しますので、そちらもご覧ください。